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町おこしは何故うまくいかないのか



 

 うどんの田尾さん(四国学院大学教授)と勝谷誠彦さんの対談より


カツヤマサヒコ:田尾和俊 地域活性化は粉飾だ - YouTube

 (町おこしってたいがい上手くいってないよねっていう話の延長で)

田尾「メディアと行政に関しては殆ど地域の豊かさを追求しているとは思えない。ある種ね、中央政府冊封体制の中に入っているような気がするんですよ」※「冊封体制 = 宗主国対藩属国という従属的関係におくこと」
勝谷「中央集権を強めるではなく、地方はむしろどんどん弱体化させていこうという」
田尾「地方の行政はたぶん県民ではなくて、国の、中央政府を見ている」
勝谷「そうです、だって、総務部長とか言うのは総務省から来るわけですからね」
田尾「それから、地方のメディアは放送も新聞も含めて、たぶんキー局を見ているんですよ」
勝谷「そうですよ」
田尾「で、冊封体制に入っているわけだ、これは絶対に冊封体制から抜け出さないと地域の県民とか市民とかの方には向けないし、ここを改革できない。なぜ地域の人が、今、我々が応援をしないといけないのは、或いは今我々を豊かにしてくれるのは誰か?と言うのを勘違いしている。冊封体制下にある地方のメディアとか地方の行政が我々を豊かにしてくれると言う風に、みんな思っている。ちがうん、住民は毎日毎日日常の中で自分の頭の中の90%ぐらい、地域のことでいっぱいなんですよ。地域に住んでいる人は90%ぐらい地元のことで毎日毎日生活しているんですよ。ところが地域のメディアは、特にキー局から来ているメディアは90%中央のことを流している」
勝谷「ああ、そうだ」
田尾「残りの10%が地域のことを流している。みんな、県民は市民は90%地元のことでいっぱいなのに、メディアが90%中央を流している。行政も恐らく90%、現場は仕事をしているけど、トップは頭が向こう(中央)にあるんだ。で、なぜ、地元の人は90%地元で日常を送っているのに、地元のことを知らないのか?
僕一番最初にタウン情報誌をやってて思ったんです。商店街とか駅とか出てっていろんなテーマでインタビューして情報集めたりしますやん、その時に、日本全国のこととか世界のこととか、ニュースに流れている」
勝谷「イラクのこととか」
田尾「そう、イラクのこととか、10人に訊いたら、爺さん婆さんに始まって子供まで、なんかしらんけど『んー、あれいかんのちゃうん』とか、なんかコメントするんですよ、10人中8人、9人と。
ところが、今、香川県で、これこれの問題があるんやけど、それについてどう思いますか?とゆうたら、それについて答えられるのが、2人とか3人しかいない」
勝谷「そうだね」
田尾「どういうことやねん、これ誰の責任やねん? ローカルのメディアですよ。みんな日常90%、地元で地域でここで生活しているのに、その情報を提供する地元のメディアが90%中央のことを流している」
勝谷「だからそれはなぜかというと誤魔化すためなんですよ。地元の不満を上書きしてるんですよ。あなたに関係の無い天下、ウクライナで何が起きているかで記憶を上書きしているんですよ。つまり、ニュースだったらホントは地元のニュースから始めないとおかしい」
田尾「そうです、うんうん」
(略)
勝谷「地元のニュースを扱うのは、ひとつはしんどいんですよ、地元のは、しんどいのは2つある、ひとつは手間労力においてしんどい」
田尾「ああ、そうです」
勝谷「真面目に取材しないと、タウン情報誌やってたらわかると思うんだけど、ホントに血のにじむような努力をしないと出来ない」
田尾「出来ないです」
勝谷「それともう一つは地元のことを書くとしがらみがある」
田尾「はいそうです」
勝谷「うわー、本質突いてますねw でもその中でカネが廻ってるんですよ、地元も広告会社もその中でカネが廻っているという、上から冊封されながら、地元ではホントに小さなサイクルの中で廻っているということを打破しないと、何が町おこしだっていう」
田尾「そう、大笑いですよ。いま、町おこし町おこしって、過去、町おこしで街が豊かになったところって見たことある?どこにもないやろ?」

 以上、カツヤマサヒコSHOWでの対談から書き起こしでした。

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